【UNISON SQUARE GARDEN・田淵智也】使用機材まとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

【田淵智也｜UNISON SQUARE GARDEN 始めに

田淵智也はUNISON SQUARE GARDENのベーシスト兼ボーカルとして、バンドサウンドの核となる存在です。彼のベースプレイは、メロディアスなフレーズと攻撃的なドライブサウンドを併せ持ち、ロック・ポップス・プログレッシブな要素を絶妙にブレンドした独自のスタイルを確立しています。代表曲「シュガーソングとビターステップ」では、キャッチーなベースラインと歌唱を両立させ、楽曲全体を引っ張る力強さを発揮しています。

田淵のサウンドは、歪み系エフェクターを多用した中高域の抜けの良い音色が特徴的で、ギターと対等に張り合う存在感を持ちます。ピック弾きを基本としながらも、指弾きやスラップを織り交ぜることで楽曲に多彩な表情を与えています。近年ではシグネチャーモデルのベースやエフェクターも展開しており、そのこだわりの強さがうかがえます。

彼の音作りの特徴は、プリアンプやオーバードライブで倍音を加えながら、コンプレッサーでアタック感を整える点にあります。バンドアンサンブルの中で埋もれない音圧と明瞭さを保ちつつ、歌とベースを同時にこなす独特なスタイルは、多くのベーシストに影響を与えています。機材選びにおいても実用性と音楽性のバランスを重視し、ライブパフォーマンスでの再現性を追求している点が注目されます。

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使用アンプ一覧と特徴【UNISON SQUARE GARDEN・田淵智也】

田淵智也のアンプ選びは、ライブでの音圧確保とクリアなサウンド出力を両立させる方向性で選定されています。過去にはFenderやAmpeg系のアンプを使用していたことが確認されており、中低域の厚みとクリーンな高域特性を持つモデルを好む傾向があります。レコーディングでは、プリアンプを通してDI録音することも多く、アンプそのものよりもエフェクター前段での音作りに重点を置いている場面も見られます。

ライブセッティングでは、会場の音響特性に合わせてアンプのEQを調整しながら、エフェクターボードとの組み合わせで最終的な音色を作り込んでいます。特に中域を強調することで、バンドアンサンブルの中でもベースラインが明瞭に聴こえるよう工夫されています。アンプ選定においては信頼性と汎用性を重視し、ツアー先でも安定したサウンドを提供できる機種を選択していると想定されます。

使用ベースの種類と特徴【UNISON SQUARE GARDEN・田淵智也】

田淵智也は主にMusicMan StingRayをメインベースとして使用しており、その太く明瞭な音色とハイミッドの抜けの良さがバンドサウンドと相性抜群です。StingRayはアクティブPUを搭載し、音圧が強くライブでもしっかりと存在感を出せる点が彼のプレイスタイルに合致しています。近年ではシグネチャーモデルである「田淵智也モデル MkII」も発表されており、こちらはStingRayをベースに独自のカスタマイズが施されたモデルです。

サブとしてFender Precision BassやJazz Bassも使用することがあり、楽曲のニュアンスに応じて使い分けています。特にPrecision Bassは温かみのある太い低音が特徴で、バラード系の楽曲やミドルテンポの曲で活躍します。Jazz Bassは中高域の繊細な表現に優れ、フィンガースタイルでのプレイに向いています。いずれのベースもピックアップの選定やセッティングにこだわり、バンドアンサンブルの中で最適なバランスを追求しています。

使用エフェクターとボード構成【UNISON SQUARE GARDEN・田淵智也】

田淵智也のエフェクターボードは、プリアンプを起点に複数のドライブ系ペダルを並列・直列で組み合わせる構成が基本です。シグナルチェーンは、ベース本体からチューナー、コンプレッサー、プリアンプ、オーバードライブ系ペダル複数、モジュレーション系、ディレイ/リバーブ、最後にDIという流れになっています。プリアンプではTech 21のSansAmp Bass Driver DIを愛用しており、基本的な音色の土台を作っています。

ドライブ系では、DarkglassのVintage Ultraやその他のオーバードライブペダルを複数使い分け、楽曲ごとに歪みの質感を変化させています。特にシグネチャーエフェクターである「TABUCHI DRIVE」は、彼のサウンド哲学が詰まったペダルとして注目されています。モジュレーション系やディレイは楽曲の雰囲気に応じて使用し、空間系の深みを加えることで表現の幅を広げています。パワーサプライやスイッチャーも導入し、ライブでのトラブルを最小限に抑える工夫がされています。

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【UNISON SQUARE GARDEN・田淵智也】

基本EQ設定

田淵智也の音作りにおいて、EQセッティングはミドル帯域を中心に組み立てられています。低域は60〜100Hz付近をやや控えめにし、ボワつきを抑えつつ200〜400Hz付近で温かみを確保します。中域は500Hz〜1kHzを持ち上げ、ベースラインが明瞭に聴こえるようにしています。高域は2〜4kHz付近でアタック感を強調し、ピック弾きの輪郭をはっきりさせることで、ギターとの棲み分けを実現しています。

プリアンプのSansAmp Bass Driver DIでは、DriveとPresenceを調整しながら倍音成分を加え、Bassは控えめにすることで低音の分離を保っています。アンプ側のEQはフラットか若干のミドルブーストに設定し、エフェクターボードで作った音色を忠実に再現する方向性です。会場の音響特性に応じて、PAエンジニアとの連携で最終的な音作りを詰めています。

楽曲別の使い分け

楽曲のテンポや雰囲気によって、歪みの量やエフェクトの種類を使い分けています。アップテンポでロック寄りの楽曲では、Darkglassのドライブペダルを強めにかけ、ギターと対等に張り合う攻撃的なサウンドを作ります。バラードやミドルテンポの曲では、クリーントーンを基本にコーラスやディレイで空間的な広がりを加え、歌メロを支える役割に徹しています。

また、曲中のセクションごとにエフェクトをオン・オフして、展開に合わせたダイナミクスを演出しています。イントロやサビではドライブを強め、Aメロやブリッジ部分ではクリーンに戻すといった切り替えを、スイッチャーを活用してスムーズに行っています。こうした細かな使い分けが、楽曲全体の起伏を際立たせる重要な要素となっています。

ミックスでの工夫

レコーディングやミックスの段階では、ベーストラックを複数レイヤーで重ねることもあります。クリーンなDI音源と、歪ませたアンプシミュレーター音源を並行して録音し、ミックス時にブレンドすることで、低域の厚みと中高域の存在感を両立させています。コンプレッサーは軽めにかけ、ピークを抑えつつダイナミクスを残す設定です。

ミックスでは、キックドラムとベースの低域が干渉しないよう、EQで棲み分けを行っています。ベースは200Hz以下をカットし、キックは60〜80Hz付近を強調することで、リズムセクション全体の分離と迫力を確保しています。また、ステレオイメージではベースをセンターに配置し、安定した土台を作りつつ、空間系エフェクトで左右への広がりを演出する手法も取り入れられています。

比較的安価に音を近づける機材【UNISON SQUARE GARDEN・田淵智也】

田淵智也のサウンドを再現するには、まずプリアンプとドライブペダルを揃えることが重要です。SansAmp Bass Driver DIは比較的手の届きやすい価格帯で、彼の音作りの基盤を作ることができます。ベース本体は、MusicMan StingRayの廉価版であるStingRay Rayシリーズや、Fender Player SeriesのPrecision/Jazz Bassを選ぶと良いでしょう。

エフェクターでは、BOSSやMXRなど国内外で定番のメーカーから、ドライブ系やコーラス、コンプレッサーを選ぶことで、基本的なサウンドに近づけられます。特にBOSSのBB-1XやODB-3といったベース用ドライブペダルは、扱いやすく初心者にも推奨できます。アンプはFender Rumbleシリーズなど、コストパフォーマンスに優れたモデルで十分に対応可能です。

総括まとめ【UNISON SQUARE GARDEN・田淵智也】

田淵智也の音作りの本質は、バンドアンサンブルの中で明瞭に聴こえる中域重視のサウンドと、歌とベースを同時にこなすための安定した音圧確保にあります。彼のサウンドはプリアンプとドライブペダルによる倍音の付加を基本とし、コンプレッサーでアタック感を整え、EQで各帯域のバランスを緻密に調整することで成立しています。ピック弾きを中心とした奏法は、輪郭のはっきりした音色を生み出し、ギターと対等に渡り合う存在感を実現しています。

機材選びにおいては、MusicMan StingRayのようなアクティブベースとSansAmp Bass Driver DIのようなプリアンプの組み合わせが核となっています。エフェクターボードは複数のドライブペダルを使い分け、楽曲ごとに最適な歪みの質感を追求する構成です。こうした機材の選定と組み合わせは、長年のライブ経験とレコーディングの試行錯誤から導き出された結果であり、単に高価な機材を揃えるだけでは再現できない部分でもあります。

田淵のサウンドを再現する上で重要なのは、機材に頼りすぎず、自分の演奏スタイルに合った音作りを追求することです。特にミドル帯域の扱い方、ピッキングの強弱、エフェクターのオン・オフのタイミングなど、演奏技術と音作りが一体となって初めて彼らしいサウンドが生まれます。初心者であれば、まずは基本的なプリアンプとドライブペダルから始め、自分の耳で音を確かめながら少しずつ機材を増やしていくアプローチが効果的です。

また、ライブとレコーディングでの音作りの違いを理解することも重要です。ライブではアンプからの出音とPA経由の音を両立させる必要があり、レコーディングではDI録音とアンプシミュレーターを組み合わせて多層的な音像を構築します。こうした状況に応じた柔軟な対応力こそが、プロフェッショナルなベーシストとしての田淵智也の真髄といえるでしょう。

最終的に、田淵智也のサウンドを目指す上で最も大切なのは、楽曲全体の中でベースがどのような役割を果たすべきかを常に意識することです。単なる低音楽器としてではなく、メロディラインを奏でる楽器として、そしてバンドサウンドを支える土台として、多面的な役割を担うベースの可能性を追求し続ける姿勢が、彼の音作りの根幹にあります。機材はあくまでもその表現手段であり、音楽性と演奏技術の向上こそが最も重要な要素であることを忘れてはなりません。

本記事参照サイト【UNISON SQUARE GARDEN・田淵智也】

本記事は下記公式サイト等も参照させていただいております。

• UNISON SQUARE GARDEN 公式サイト
• 田淵智也 公式サイト
• SAGO NEW MATERIAL GUITARS – 田淵智也アーティストページ
• MusicMan 公式サイト
• Tech 21 公式サイト
• Darkglass Electronics 公式サイト