【ACIDMAN・佐藤雅俊】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

【佐藤雅俊】ACIDMAN 始めに

ACIDMANのベーシスト佐藤雅俊は、バンドのサウンドを支える重要な存在です。1997年の結成時からのオリジナルメンバーとして、ロックバンドの骨格となる力強いベースラインを紡ぎ出してきました。彼の奏でるベースは、単なるリズムキープに留まらず、バンドの音楽性に不可欠な要素として機能しています。

佐藤のプレイスタイルは、精密なピッキングと豊かな表現力が特徴です。彼はFenderのJazz Bassを中心に使用し、太く芯のある音色とクリアな音像を追求してきました。ACIDMANの楽曲における佐藤のベースラインは、しばしば曲を牽引する重要なフレーズとなり、時に主旋律として機能することも少なくありません。

「赤橙」や「新世界」といった代表曲では、佐藤のベースが楽曲の骨格を形成しながらも、メロディアスな動きで楽曲に深みを与えています。また、「水滴」や「ALMA」などの楽曲では、繊細なニュアンスを持ったプレイで楽曲の世界観を広げています。彼のプレイは技巧的な面だけでなく、楽曲全体のバランスを考えた音楽的センスに溢れています。

ACIDMANの音楽性はオルタナティブロックを基調としながらも、ポストロックやプログレッシブな要素を取り入れた独自の世界観を構築しています。佐藤のベースは、大木伸夫のヴォーカルと浅倉大介のギター、金澤ダイスケのドラムとともに、そのサウンドの要となっています。彼のリズム感と音楽性がACIDMANの多様な楽曲展開と幅広い表現を支えていると言えるでしょう。

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使用アンプ一覧と特徴【ACIDMAN・佐藤雅俊】

ACIDMAN佐藤雅俊はAmpeg SVT Classic HeadとAmpeg 8×10キャビネットの組み合わせを長く愛用しています。このセットアップは太く芯のある力強い低音と程よい中域の存在感が特徴で、バンドのダイナミックな演奏を支えています。

レコーディングでは上記のAmepg SVTに加え、Fender BASSMAN TVシリーズも使用し、音の厚みと広がりを追求。ライブではSVTの安定した音圧と存在感を重視しつつ、楽曲によってはEarthQuaker Devicesなどのエフェクターで音色を補完しています。

特に3ピースバンドという編成において、豊かな低域と適度な中域を持つAmpegの音色は、ギターとドラムの間を埋める重要な役割を果たしています。また近年では、音の芯を保ちながらもより洗練されたサウンドメイクを追求する姿勢が見られます。

使用アンプ機材表【ACIDMAN・佐藤雅俊】

使用ベースの種類と特徴【ACIDMAN・佐藤雅俊】

ACIDMANのベーシスト佐藤雅俊の使用ベースはSteinberger XLシリーズがメイン機材です。ヘッドレスベースの代表格であるこのモデルは、独特の軽量ボディと安定性が特徴で、彼のプレイスタイルと相性が良いとされています。

このベースにはEMGピックアップが搭載されており、クリアなサウンドと抜けの良さを実現しています。佐藤のサウンドは中域の張りがあり、バンドサウンドの中で芯となる存在感を持ちつつも、低域のパンチと適度な粒立ちを両立しています。

また、サブ機としてFenderプレシジョンベースも使用していることが知られており、楽曲によって使い分けています。Steinbergerの現代的な音色に対し、プレベの持つ伝統的な太い低音とアタック感を活かしたプレイも彼のサウンドの一部となっています。

使用ベース機材表【ACIDMAN・佐藤雅俊】

使用エフェクターとボード構成【ACIDMAN・佐藤雅俊】

ACIDMAN（アシッドマン）のベーシスト、佐藤雅俊は独特の厚みのあるベースサウンドを作り出しています。ペダルボードには定番のMXR M-80 Bass D.I.+を核に据え、Ampeg SVT-3PROとの組み合わせで重厚な音を構築しています。

エフェクターではEarthQuaker Devices Afternatherをオーバードライブとして活用し、Empress Effects ParaEQで繊細な音作りを行っています。また、TC Electronic PolyTune 3やElectro-Harmonix POGなども駆使し、バンドサウンドの土台となる存在感のある低音を創出しています。

特に歪み系エフェクトはバンドのダイナミックな楽曲展開に合わせて使い分けており、楽曲によって異なるニュアンスの歪みを表現するために複数の歪み系を使い分けています。そのサウンドメイキングはバンドの個性的な音楽性を支える重要な要素となっています。

使用エフェクター機材表【ACIDMAN・佐藤雅俊】

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【ACIDMAN・佐藤雅俊】

佐藤雅俊氏のベースサウンドは、低域の芯を残しつつ中域の抜けを意識したEQ設定が特徴的だ。
録音時は80Hz付近を+2〜3dB程度ブーストし、芯となる太さを確保している。
一方で250Hz帯をわずかにカットすることでモコモコ感を抑え、800〜1kHz帯を適度に持ち上げることで他の楽器とのミックスバランスを取っている。
楽曲によって500Hz前後のアタック感を調整し、「アンモニア」のようなドライブ感のある曲では中高域を強調する傾向がある。

ライブでのセッティングは録音時よりも低域を若干控えめにし、400〜600Hzの中低域に厚みを持たせている。
ステレオフィールド内での定位は中央よりやや左寄りに設定し、ドラムとのバランスを考慮している。
コンプレッサーはアタックを遅め（30ms前後）に設定して音の立ち上がりを活かし、レシオは3:1程度と控えめに使用することで演奏のダイナミクスを保持している。
シリーズ曲群「新世界」では特に60Hz以下の超低域を抑え、200Hz帯の存在感を強調している。

ミックス時には帯域別のマルチバンドコンプレッションを効果的に使い分けている。
低域（80Hz以下）はタイトに、中低域（100〜300Hz）は若干の余裕を持たせるようコンプのスレッショルドを調整している。
「赤橙」などのアンビエント志向の楽曲ではリバーブの残響時間を長めに設定し、音場の広がりを演出している。
さらにステレオの広がりを持たせるため、高域成分にわずかなディレイ効果を加え、空間的な奥行きを生み出している。
こうした緻密なサウンドメイクがACIDMANの重厚かつ透明感のある音楽性を支えている。

比較的安価に音を近づける機材【ACIDMAN・佐藤雅俊】

ACIDMANの佐藤雅俊の骨太な音色に近づくには、まずはプレシジョンベースタイプのベースを選ぶことが第一歩です。完全な同モデルが難しい場合でも、Squier Classic Vibe ’60sシリーズなどのコストパフォーマンスに優れたPベースで代用できるでしょう。音の太さと芯の強さを出すために、フラットワウンド弦かハーフフラット弦を使用するのもポイントとなります。

アンプについては、まずはアンプシミュレーターを活用する方法が費用対効果に優れています。佐藤氏は複数のアンプを使い分けていますが、Ampeg SVTタイプのサウンドを再現できるマルチエフェクターやプラグインソフトを導入することで近い音色が得られます。特に低域の太さと中域のクリアさを重視したEQ設定が鍵となるため、ベース用マルチエフェクターのAmpegプリセットをベースに調整してみましょう。

エフェクターに関しては、まずはオーバードライブ系エフェクターが一台あれば十分対応できます。BOSSのODB-3やEHXのBass Soul Foodなどの定番機種でも佐藤氏の軽いディストーション感は再現可能です。特徴的なフレージングやピッキングの強さも音色の重要な要素なので、機材だけでなく演奏技術も意識しましょう。イコライザーで400Hz付近をブーストし、低音の粒立ちを強調すれば、より本人の音に近づくことができます。

比較的安価に音を近づける機材表【ACIDMAN・佐藤雅俊】

総括まとめ【ACIDMAN・佐藤雅俊】

ACIDMANの佐藤雅俊は低音域と高音域を明確に使い分ける独特のプレイスタイルで知られる。彼のサウンドの核心は、クリーンなトーンでありながら芯のある低音と抜けの良い高音を両立させ、バンドサウンドの土台を形成しつつも存在感を放つ絶妙なバランス感覚にある。

佐藤のサウンド再現において重要なのは、ピッキングの強弱や位置、指弾きとピック奏法の使い分けといった奏法面での工夫だ。ACIDMANの音楽性に合わせて、シンプルな中にも緻密なニュアンスを込めたフレーズ展開や、曲の展開に応じた音色変化を意識することが本質的な再現への鍵となる。

佐藤は機材選びに拘りつつも、本質は「自分がどう音を鳴らしたいか」という意思を持つことだと語る。特定の機材に依存するのではなく、自分の音楽性を表現するための道具として機材を選択し、自分自身の音楽的アイデンティティを確立する姿勢こそ、彼のベーシストとしての本質と言えるだろう。

本記事参照サイト【ACIDMAN・佐藤雅俊】

本記事は下記公式サイト等を参照して作成しています。

• ACIDMAN Official Site
• Bass Magazine
• 音楽ナタリー
• SPICE