【The Smiths・Andy Rourke】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

関連記事

【ヒトリエ・イガラシ】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

2025.10.21

【BRAHMAN・Makoto】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

2025.10.29

【LILI LIMIT・土器大洋】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

2025.10.30

【Andy Rourke】The Smiths 始めに

アンディ・ルークは、80年代英国インディーロックの代表格「The Smiths」で鮮烈な個性を放ったベーシスト。彼のプレイスタイルは、単なるリズム隊の役割を超え、メロディアスで流麗なラインが特徴的です。モリッシーのボーカルとジョニー・マーのギターに絡み合いながら、曲に奥行きを与える繊細なフレーズを展開。「This Charming Man」や「Barbarism Begins at Home」では、ファンクの影響を感じさせる躍動的なベースラインが印象的です。音色はクリアでパンチがありながらも温かみがあり、指弾きによる表現力豊かな演奏は、The Smithsのサウンドに不可欠な要素として、バンドの音楽的アイデンティティを確立する大きな役割を果たしました。彼の革新的なアプローチは、後のインディーロックシーンに多大な影響を与えています。

YouTubeでAndy Rourkeのプレイをチェック → こちら

使用アンプ一覧と特徴【The Smiths・Andy Rourke】

Andy Rourkeは主にRoland Jazz Chorus-120（JC-120）を長年愛用していました。このソリッドステートアンプは、クリーンなトーンと明瞭な高域が特徴で、The Smithsの透明感のあるベースサウンド形成に大きく貢献しています。特にJC-120のクリーンなキャラクターは、Rourkeの技巧的なベースラインを際立たせるのに最適でした。 レコーディングでは、Ampeg SVTアンプも使用しており、その太く温かい音色はスタジオ作業での定番となっていました。ライブパフォーマンスでは、Roland JC-120をメインに据えつつ、時にTraceElliot GP12SMXなどのアンプも併用し、会場のサイズや求める音響効果に応じて使い分けていたようです。 音の方向性としては、中域がしっかりとした、パンチの効いたクリーントーンを基本に、必要に応じてコンプレッサーやフランジャーなどのエフェクトを加えることで、メロディアスかつリズミカルな多彩なサウンドを作り出していました。この独特のアプローチが「This Charming Man」や「How Soon Is Now?」などの名曲で聴くことができる、The Smithsの特徴的なベースサウンドを形成しています。

使用アンプ機材表【The Smiths・Andy Rourke】

使用ベースの種類と特徴【The Smiths・Andy Rourke】

Andy Rourkeは主にFenderのPrecision Bassを使用していました。特に黒いPrecision Bassがメイン楽器として知られています。サブとしてFender Jazz Bassも使用。The Smiths時代はRotosound製のラウンドワウンド弦を愛用し、その特徴的な明るく歯切れの良いサウンドを作り出していました。P-Bassのシングルコイルピックアップ構成により、中域の張りと適度な低域の量感を両立させています。特に「This Charming Man」などの曲で聴かれる melodicで動きのあるベースラインは、このセットアップから生まれたものです。アタックが強く、バンドのサウンドの中でも埋もれない明瞭さが特徴で、モリセイの歌とマーの複雑なギターの間を巧みに埋める音作りをしていました。

使用ベース機材表【The Smiths・Andy Rourke】

使用エフェクターとボード構成【The Smiths・Andy Rourke】

Andy Rourkeは、The Smithsのメロディックなベースラインを生み出すために比較的シンプルなセットアップを好んでいました。中核となるサウンドには、Boss CE-2コーラスを使用し、特徴的なキラキラとした音色を作り出していました。また、MXR Distortion+をオーバードライブとして低めのゲインで使用し、音に適度な粒立ちを加えていました。「This Charming Man」や「Heaven Knows I’m Miserable Now」などの楽曲では、これらのエフェクターが彼の個性的なベースプレイを引き立てています。Rickenbacker 4001ベースとの組み合わせにより、明るく抜けの良いサウンドを実現し、Johnny Marrのギターと絶妙に絡み合う繊細なフレーズを可能にしました。彼のサウンドメイキングの秘訣は、過剰な加工を避け、ベース本来の音色を活かしながら微妙なニュアンスを加える点にあります。

使用エフェクター機材表【The Smiths・Andy Rourke】

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【The Smiths・Andy Rourke】

Andy Rourkeのベースサウンドの基本EQは、ミッドを若干ブーストし低域をやや控えめにするのが特徴的だった。
彼の代表的なFender Precision Bassでは、トーンを半分から7割程度開けてトレブル成分を確保していた。
スタジオレコーディングでは400Hz付近を3dB程度ブーストし、200Hz以下は軽く抑えることで、Johnny Marrのギターと周波数衝突を避けていた。
バンド内での存在感を失わないよう、2～3kHzの帯域もわずかに持ち上げていた。

曲調によってセッティングの使い分けも巧みで、「This Charming Man」のような明るいナンバーではピック奏法とともにハイミッドを強調し、「How Soon Is Now?」ではフィンガー奏法で低域をより豊かにしていた。
録音時はCompressorを軽く使用し、アタック50ms、リリース300ms程度の設定でダイナミクスをコントロールしていた。
メロディックな16分音符フレーズでは、やや強めにコンプをかけることで粒立ちを向上させていた。
スタジオではDIと小型アンプの両方を録音し、ミックス時に両者をブレンドすることも多かった。

ミックスにおいては、ベースをステレオイメージの中央にしっかりと定位させつつ、時折わずかなリバーブを加えることで空間的な広がりを出していた。
ドラムのキックとの関係では、80Hzと120Hz付近を相互に調整して両者の分離を図っていた。
ライブでは、ほかの楽器との音量バランスを保つために、ミッドレンジの存在感を重視したEQ設定を採用していた。
Morrissey のボーカルを邪魔しないよう、800Hz～1.5kHzあたりは必要以上に出さないよう注意深く調整されていた。

比較的安価に音を近づける機材【The Smiths・Andy Rourke】

Andy Rourkeのベース音は、FenderのPrecision Bassから生まれる太く温かいトーンが特徴です。予算を抑えるなら、Squier Classic Vibe 70s Precision Bassが本格的なPサウンドを手頃な価格で提供してくれます。フレットレスではなく通常のPベースで十分近い音が出せるため、初期投資を抑えられます。

アンプ設定は、中音域を少し持ち上げ低音と高音は控えめにすることでRourkeの音色に近づけます。Fender Rumble 40などの手頃なベースアンプでも、EQを適切に設定すれば十分対応できます。Boss GEB-7ベースイコライザーを導入すれば、より細かな調整が可能になり、The Smithsのアルバム別の音作りも再現しやすくなります。

エフェクトは最小限で始めるのがコスト効果的です。Boss ODB-3ベースオーバードライブがRourkeの軽いディストーション感を手頃に再現できます。コーラスエフェクトは「This Charming Man」などで特徴的ですが、初期段階ではMultiStompのようなマルチエフェクターを一台導入することで、複数の効果を試せて経済的です。

比較的安価に音を近づける機材表【The Smiths・Andy Rourke】

総括まとめ【The Smiths・Andy Rourke】

3段落、各800〜150字。音作りの核／再現のポイント／機材に依存しすぎない姿勢、の順にまとめる。固有機材の羅列は禁止。

Andy Rourkeの音作りの核心は、メロディックでありながらリズミカルな演奏スタイルにある。The Smithsの曲において彼のベースラインは単なる土台ではなく、曲の重要な構成要素として前面に押し出されている。特徴的なのは指弾きによる柔らかく温かみのあるトーンで、高音域のフレーズも多用しながら、Morrissey（モリッシー）のボーカルと絡み合うカウンターメロディを奏でる手法だ。この奏法は「This Charming Man」や「Barbarism Begins at Home」などで顕著に表れている。彼のベーシストとしての強みは、メロディ感覚の鋭さと同時に、ジョニー・マーのギターと完璧に共鳴しながらも独自の存在感を示す能力にあった。 Rourkeサウンドを再現するポイントは、まず指弾きのテクニックを磨くことから始まる。彼のトーンの特徴は、ネックピックアップ主体の温かみのあるサウンドと、わずかなミッドレンジのブーストによる存在感だ。エフェクトについては、コーラスで微妙な揺らぎを加えつつ、時にはフランジャーやコンプレッサーを使用して音に深みと均一性を与えていた。特に「How Soon Is Now?」のような曲ではコーラスエフェクトが効果的に使われている。演奏面では、16分音符のパターンや跳躍するフレーズ、そして高いフレットでのメロディックなフレーズを多用する彼のスタイルを研究することが重要である。 機材への依存を避けるために重要なのは、Andy Rourkeの音楽的アプローチの本質を理解することだ。彼の真髄は特定の機材にではなく、ベースをメロディック楽器として扱う姿勢にある。シンプルな機材セットアップでも、正しい指のタッチや音楽的センスを磨けば、彼の本質的なサウンドに近づける。The Smithsの楽曲を何度も聴き込み、ベースラインのニュアンスや曲の構造におけるベースの役割を理解することが重要だ。技術面では、指弾きの強弱のコントロールや、音の長さの微妙な調整など、機材に頼らない演奏技術の向上に集中すべきである。Andy Rourkeのように、ベースを単なるリズム楽器ではなくメロディの担い手として捉える視点が、真の再現への近道となる。

本記事参照サイト【The Smiths・Andy Rourke】

本記事は下記公式サイト等を参照して作成しています。

• Equipboard – Andy Rourke’s Gear
• Smiths on Guitar – Andy Rourke’s Gear
• Guitar World – Andy Rourke Interview
• Wikipedia – アンディ・ルーク