【Alice in Chains（アリス・イン・チェインズ）・マイク・アイネズ】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

関連記事

【WANIMA・KENTA】使用機材まとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

2025.10.122025.10.14

【ポルノグラフィティ・白玉雅己】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

2025.11.09

【GRANRODEO・瀧田イサム（サポート）】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

2025.10.29

【マイク・アイネズ】Alice in Chains（アリス・イン・チェインズ） 始めに

マイク・アイネズは1992年に初代ベーシストのマイク・スターの後任としてAlice in Chainsに加入したベーシストです。彼のベースプレイはヘヴィかつシンプルで、バンドの暗く重厚なグランジ/ヘヴィメタルサウンドを下支えしています。

彼の特徴的なベーストーンはアグレッシブなピック奏法と歪みを加えたサウンドで、「Would?」や「Rooster」などの代表曲では低音の唸りとミドルレンジのパンチが効いたトーンが楽曲の重厚感を演出しています。バンドの複雑なハーモニーとレイン・ステイリーとジェリー・カントレルのヴォーカルを邪魔せず、むしろ強調する役割を担っています。

Alice in Chainsはシアトル発祥のグランジシーンを代表するバンドでありながら、メタルの要素も強く取り入れた独自の音楽性で知られています。マイク・アイネズの奏でる重厚なベースラインは、バンドの暗く陰鬱な雰囲気と完璧にマッチし、特に1995年の自主制作アルバム「Alice in Chains」や「MTV Unplugged」でその実力を発揮しました。

YouTubeでマイク・アイネズのプレイをチェック → こちら

使用アンプ一覧と特徴【Alice in Chains（アリス・イン・チェインズ）・マイク・アイネズ】

Alice in Chainsのベーシスト、マイク・アイネズは主にAmpeg SVTシリーズを愛用しています。ライブではAmpeg SVT-4 Proヘッドと8×10キャビネットの組み合わせで、パワフルかつ深みのある低音を生み出しています。彼のベーストーンは中低域が豊かで、グランジサウンドの重厚感を支える特徴があります。

レコーディングではSVTクラシックヘッドも使用し、ディストーションペダルと組み合わせることで、バンドの暗くどんよりとした雰囲気に合った音作りをしています。特に「Dirt」や「Alice in Chains」などのアルバムでは、歪みを加えた重厚なベーストーンが特徴的です。初期のアルバムと比較すると、マイク加入後はやや明るさを残しつつもパンチのあるサウンドに進化しました。

サウンドメイキングではミッドレンジを若干削り、低域と高域を持ち上げたややドンシャリサウンドを好む傾向があります。ピックアタックの強いプレイスタイルとの相性が良く、バンドサウンドの中で存在感を保ちながらも他の楽器と調和するベーストーンを実現しています。アコースティックセットではよりクリーンなサウンドに切り替え、繊細な表現も可能にしています。

使用アンプ機材表【Alice in Chains（アリス・イン・チェインズ）・マイク・アイネズ】

使用ベースの種類と特徴【Alice in Chains（アリス・イン・チェインズ）・マイク・アイネズ】

マイク・アイネズは主にWarwick Streamer Stageを愛用し、グランジからヘヴィなサウンドまで幅広く対応しています。このベースは豊かな中低域とクリアなミッドレンジを特徴とし、Alice in Chainsの暗く重厚なサウンドの土台を形成しています。

彼のセカンダリーな選択肢としてはFenderタイプのベースも使用され、特に「Unplugged」などのアコースティックセットでは柔らかい音色を提供しています。ピックアップ構成はハムバッカーを好む傾向があり、ディストーションを加えた際の安定性とパワーを確保しています。

アイネズのベースサウンドは特徴的なミッドレンジのうねりと、低域の重厚な粒立ちが際立ちます。彼のプレイスタイルと相まって、ピックによる鋭いアタックと指弾きの柔軟性を両立させ、バンドのダークで重層的なサウンドスケープに不可欠な要素となっています。

使用ベース機材表【Alice in Chains（アリス・イン・チェインズ）・マイク・アイネズ】

使用エフェクターとボード構成【Alice in Chains（アリス・イン・チェインズ）・マイク・アイネズ】

マイク・アイネズは1993年にマイク・スターの後任としてAlice in Chainsに加入したベーシストです。彼の特徴的な音作りには、Warwick Streamerベースとアクティブなピックアップが重要な役割を果たしています。

アイネズのエフェクター構成はシンプルながら効果的で、主にオーバードライブ/ディストーションと少量のコーラスを組み合わせています。彼のサウンドの特徴は太くて歪みのある音色であり、バンドの暗くヘヴィなグランジ/メタルサウンドの基盤となっています。

特に「Man in the Box」や「Would?」などの代表曲では、中音域を強調したディストーションサウンドが印象的です。アンプはAmpegの大型キャビネットを使用し、力強い低音とミドルレンジの存在感を両立させています。

使用エフェクター機材表【Alice in Chains（アリス・イン・チェインズ）・マイク・アイネズ】

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Alice in Chains（アリス・イン・チェインズ）・マイク・アイネズ】

マイク・アイネズは低域のパワーを活かした重厚なベーストーンで知られています。基本的なEQ設定としては、低域（80-100Hz）を+3dB程度ブーストし、中低域（250-400Hz）をやや抑えてマッドな音を避けます。
中域（800Hz-1kHz）は楽曲のグルーヴ感を出すために少し持ち上げ、高域（2-4kHz）は指のアタック音を強調するために+2dB程度に設定します。
このセッティングは特に「Would?」や「Them Bones」のような重いリフが特徴的な楽曲で効果的です。

楽曲ごとの使い分けも重要で、『Dirt』のような暗くヘヴィな楽曲では低域を強調したコンプレッション（4:1の比率、アタック10ms、リリース80ms程度）を使用します。
一方「No Excuses」のようなアコースティック寄りの楽曲では、ミッドレンジ（500-700Hz）を少し持ち上げて存在感を出しつつ、低域の量感を調整して他の楽器とのバランスを取ります。
レイニーとのヴォーカルハーモニーが映える曲では、ベースの定位を中央よりやや左に設定し、ミックス内での分離感を高めることもあります。

スタジオでのミックス処理では、通常ダイレクト信号とマイキングしたアンプ音を併用します。ダイレクト音には400Hz付近にノッチフィルターを入れてモコモコした音を取り除き、アンプ音には1.5kHz付近を少し持ち上げて存在感を増します。
最終的なミックスでは、ドラムのキックとベースの関係性に注意し、80Hz付近でキックを優先させ、ベースは100-200Hzの帯域で支えるバランス調整を行います。
マルチバンドコンプレッションも効果的で、特に低域（40-200Hz）のダイナミクスを整えることで、バンドサウンド全体の土台を強化しています。

比較的安価に音を近づける機材【Alice in Chains（アリス・イン・チェインズ）・マイク・アイネズ】

マイク・アイネズのダークで重厚なベースサウンドは、中価格帯の機材でも十分再現可能です。ベースはFenderタイプのJazzかPrecisionが基本となり、特にMexicoシリーズや中古のSquierでも近い音が出せます。アクティブベースより若干太めの弦を張り、ピックを使うとより本物に近づきます。

アンプはクリーンなトーンをベースに軽いディストーションがポイントです。小型のベースアンプでも、ドライブ系エフェクターを追加すれば十分対応できます。特にRAT系のディストーションやBOSSのODB-3は比較的安価で、アリス・イン・チェインズのダーティでグランジなトーンの再現に適しています。

イコライザー設定は中音域を少し削り、低音と高音を強調するV字カーブがおすすめです。特に「Would?」や「Them Bones」のような曲では、音の粒立ちをしっかり出すために高音域を上げておくと効果的です。練習時にはヘッドフォンアンプやオーディオインターフェースを活用し、コンプレッサーを軽く噛ませると安定した音作りが可能になります。

比較的安価に音を近づける機材表【Alice in Chains（アリス・イン・チェインズ）・マイク・アイネズ】

総括まとめ【Alice in Chains（アリス・イン・チェインズ）・マイク・アイネズ】

マイク・アイネズのベーストーンは、そのダークでウォームな特性と力強いミッドレンジの主張が特徴的だ。彼のサウンドの核心は、単なる機材選択ではなく、強いピッキングハンドとフィンガリング技術にある。Alice in Chainsのグランジ/ヘヴィロックサウンドを支えるベースラインは、時にクリーンながらも芯のある音色で、時に歪みを加えた重厚な響きで表現される。特にバンドの代表作「Would?」や「Man in the Box」では、ローエンドの安定感とミッドレンジのパンチ感が絶妙なバランスで融合しており、バンド全体の暗く重いグルーヴを形成している。

このサウンドを再現するには、まずフレージングと演奏技術に着目すべきだ。強めのピッキングでストリングを弾き、フレットハンドの強い押弦感を意識すること。イコライザー設定では、低域を適度に確保しつつも、800Hz〜1.5kHz付近のミッドレンジを少し持ち上げることでアイネズらしい「噛み付き」を得られる。軽い歪みやコンプレッションも効果的だが、過剰に使用せず、あくまでニュアンスとして取り入れるべきだ。また、彼のサウンドには重厚感とクリアさの絶妙なバランスがあるため、音量を上げた時の音の変化も考慮して練習することが重要である。

最終的に、マイク・アイネズのトーンは特定の機材だけで生まれるものではない。彼の音色の本質は、ベースへの理解と表現力にある。どのような機材を使っていても、強いピッキングとフィンガリングの技術、そして曲の雰囲気に合わせた音量のダイナミクスをコントロールする感覚が重要だ。演奏する曲のグルーヴを理解し、バンド内での役割を意識することが、彼のサウンドに近づく最も確実な道である。特に初期のAlice in Chainsの楽曲では、マイク・スターが担当していた部分も含め、バンドの重厚なサウンドの土台を形成するベースラインの役割を理解することが、真のAlice in Chainsサウンドを再現する鍵となるだろう。

本記事参照サイト【Alice in Chains（アリス・イン・チェインズ）・マイク・アイネズ】

本記事は下記公式サイト等を参照して作成しています。

• Reddit – Bass Community
• Reddit – Alice In Chains Community
• Wikipedia
• Dixiefunk Lab