【Cymbals・沖井礼二】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

関連記事

【いきものがかり・安達貴史】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

2025.10.122025.10.17

【The Who・John Entwistle】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

2025.11.15

【Blur・Alex James】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

2025.11.16

【沖井礼二】Cymbals 始めに

沖井礼二は1966年生まれ、東京都出身のベーシスト。90年代前半にCymbalsを結成し、そのメロディアスで繊細なプレイスタイルで知られる。グルーヴ感とメロディセンスを両立させた演奏は、バンドのサウンドに不可欠な要素となっている。

Cymbalsは日本のシティポップやAORの流れを汲みながら、モダンで洗練されたポップサウンドを追求してきた。沖井のベースラインは歌心に溢れ、楽曲の中で主張しすぎず、かといって埋もれることもない絶妙なバランス感覚が持ち味だ。

「Midnight Confusion」や「The Pleasure Is Mine」など、Cymbalsの名曲で披露される彼のプレイは、繊細なフィンガリングと上品なトーンが特徴的。常にソングライティングを意識したアプローチでバンドの音楽性に大きく貢献している。

YouTubeでCymbalsのプレイをチェック → こちら

使用アンプ一覧と特徴【Cymbals・沖井礼二】

沖井礼二はCymbals時代から現在に至るまで、Aguilar（アギュラー）のアンプを愛用していることで知られています。特にDB751とDB412キャビネットの組み合わせを長らく使用していました。この組み合わせは太くて芯のある温かいサウンドを生み出し、バンドサウンドの土台として機能しました。

ライブではAmpegのSVTシリーズも併用していたことがあり、よりロックなサウンドを求める場面で活躍しました。DB751は中域が豊かで、ミックス内での存在感とパンチ力を両立させるのに適しています。沖井のプレイスタイルに合わせて、繊細なフレーズからグイグイ押すラインまで幅広く対応可能な特性を持っています。

近年ではAguilarのTone Hammerシリーズも使用しており、コンパクトながらも太い音を出せる点を評価しています。レコーディングではAguilarのDI boxを通して直接録音することもあり、クリアで芯のあるサウンドを実現しています。沖井のベースサウンドは楽曲の世界観を支える重要な要素として、シンバルズ時代から現在のThe TWEEDEESに至るまで進化を続けています。

使用アンプ機材表【Cymbals・沖井礼二】

使用ベースの種類と特徴【Cymbals・沖井礼二】

沖井礼二（Cymbals）の使用ベースは、主にFender Jazz Bassをメインとして活動しています。特に70年代前半のJazzベースを愛用しており、その中でも1972年製のモデルを主に使用していることが知られています。

このベースはオリジナルのピックアップ構成を維持しており、フロントとリアの2基のシングルコイルピックアップの組み合わせによって多様な音作りが可能です。音色の特徴としては、中域の抜けの良さと適度な低音の厚みがあり、バンドアンサンブルの中で埋もれない明瞭なサウンドを生み出します。

また、サブとして70年代のPrecision Bassも所有しており、必要に応じて使い分けています。Jazzベースとは異なる太いトーンと存在感のある低域を活かし、楽曲やライブの状況に応じて選択しているようです。エフェクターはあまり使用せず、ベース本来の音色を大切にする傾向があります。

使用ベース機材表【Cymbals・沖井礼二】

使用エフェクターとボード構成【Cymbals・沖井礼二】

Cymbalsのベーシスト沖井礼二は、シンプルかつ効果的なエフェクターセットアップで知られています。メインベースとしてFenderのJazz Bassを使用し、その太くウォームなサウンドを基本としています。

エフェクターボードにはBOSS TU-3チューナーを配置し、正確なチューニングを維持。サウンドメイキングの中核にはAgouilar社のAgro（オーバードライブ）とTone Hammer（プリアンプ/DI）を採用し、パンチの効いた歪みから繊細なクリーントーンまで幅広い表現を可能にしています。

ライブではアンプとしてAgouilar DB751を使用することが多く、エフェクターとの相性を重視したセッティングを行っています。特にTone Hammerはベース本来の音色を損なわず、適度に存在感を高める調整が特徴的です。

沖井のベースサウンドはシンプルでありながら芯のある音作りが特徴で、バンドの楽曲に合わせて歪みの量やEQ設定を微調整。過度なエフェクトに頼らず、音の強弱やニュアンスを大切にした演奏スタイルを貫いています。

使用エフェクター機材表【Cymbals・沖井礼二】

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Cymbals・沖井礼二】

沖井礼二はCymbalsでの演奏において、Fenderベースを基本に低域を程よく出しつつ中域を抑えた設定を好む傾向がある。
ライブでは、低域（80Hz付近）を+3dB程度ブーストし、中域（500Hz付近）を-2dB程度カットすることで芯のある音を確保している。
バンドサウンド全体を支えるため、400Hz以下の帯域を豊かに保ちながらも、キックドラムと被らないよう200Hz前後は慎重に調整するのが特徴だ。
スタジオ録音では、さらに細かいEQ調整を施し、曲調に合わせて音色を変化させている。

楽曲別の使い分けとして、アップテンポな曲では中高域（800Hz〜1.5kHz）をやや持ち上げ、指弾きのアタック感を強調することが多い。
対照的にバラード調の曲では、低域の豊かさを活かすためコンプレッションを強めに入れ、サステインを長く保つセッティングを採用する。
ピック奏法を用いる曲では2〜3kHz帯域を少し持ち上げ、歯切れの良さを演出している。
TWEEDEESなど他プロジェクトでは、曲ごとにエフェクターを使い分け、ときにはオーバードライブで歪みを加えることもある。

ミックス段階では、ベース音源に対して60〜80Hzを中心とした低域のルームレゾナンスを適切に処理し、クリアな低音を実現している。
ドラムとの関係性を重視し、キックとベースの周波数バランスを取るため、マルチバンド・コンプレッションを用いてダイナミクスを整える工夫がある。
ステレオイメージでは、基本的に中央に定位させながらも、フレーズによって左右に微妙に振ることでライブ感を出すこともある。
最終的なミックスでは、全体の音量バランスを保ちつつも、曲の盛り上がりに合わせて低域のプレゼンスを変化させる繊細な調整を行っている。

比較的安価に音を近づける機材【Cymbals・沖井礼二】

Cymbalsの沖井礼二氏は独特の緊張感のあるフレーズとクリアな音色が特徴ですが、高価な機材がなくても基本的な要素は再現可能です。まずはPrecision Bassタイプの楽器を選び、フラットワウンド弦を装着することで、芯のある音の土台を作りましょう。指弾きでブリッジ付近を弾くことで、彼の持つ抜けの良さをある程度再現できます。

アンプに関しては、クリーンな音質を持つものが基本となり、小型でも音質重視の製品を選ぶと良いでしょう。コンパクトエフェクターではコンプレッサーがあると音の安定感が増し、軽いコーラスを加えると音に奥行きが生まれます。特に演奏技術面では、音を均一に鳴らす練習と、右手の弾く位置を意識することが音作りの鍵となります。

予算に余裕があれば、日本製のコンプレッサーやプリアンプを加えることで、より本格的な音に近づけることができます。また沖井氏のフレーズ感を研究するために、Cymbalsや彼の参加作品を聴き込むことも重要です。エフェクトに頼りすぎず、演奏技術と基本的な機材の組み合わせで、独自の世界観を持つ音作りを目指しましょう。

比較的安価に音を近づける機材表【Cymbals・沖井礼二】

総括まとめ【Cymbals・沖井礼二】

沖井礼二のベースプレイは、Cymbalsのサウンドを支える重要な要素として高い評価を得ている。彼の音作りの核は、リズムセクションとしての確かな基礎と歌ものバンドのグルーヴ感を両立させる点にある。特に、メロディックな曲調に合わせた温かみのあるトーンと、シンプルながらも曲の土台をしっかり固める適切なフレージングが特徴的だ。彼のプレイスタイルは、派手なテクニックを前面に出すのではなく、楽曲全体の雰囲気を引き立てるようなサポート重視の姿勢で、ポップミュージックに寄り添う音楽性を感じさせる。

沖井のベーストーンを再現するポイントは、適度な中低域の厚みと明瞭なアタック感のバランスにある。彼は指弾きを基本としながらも、曲調に応じてピック奏法も取り入れており、その使い分けによって音色の幅を広げている。アンプセッティングでは過度なエフェクトに頼らず、自然な楽器の鳴りを活かす傾向があり、曲の世界観に合わせたダイナミクスコントロールを大切にしている。また、リズミカルなフレーズでありながらも音の粒立ちを意識した演奏は、彼のベースプレイの重要な特徴であり、バンドサウンド全体を引き締める役割を果たしている。

沖井礼二は機材に依存しすぎない実力派ベーシストとしても知られている。彼は「機材は道具であり、演奏者の音楽性が最も重要」という姿勢を持ち、シンプルな機材構成でも本質的な音楽表現を追求している。実際に彼のインタビューからは、特定のブランドや高価な機材に執着するよりも、自分の感性と楽曲に合った音作りを重視していることがうかがえる。この姿勢は後進のミュージシャンにも影響を与えており、テクニックや機材よりも音楽性とアンサンブル力を大切にするという彼の哲学は、長年にわたり日本のポップミュージックシーンで活躍し続けている理由の一つだろう。

本記事参照サイト【Cymbals・沖井礼二】

本記事は下記公式サイト等を参照して作成しています。

• BASS MAGAZINE
• BASS MAGAZINE
• Wikipedia