【Crosby, Stills, Nash & Young（クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング）・スティーヴン・スティルス】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

関連記事

【ストレイテナー・日向秀和】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

2025.10.21

【Cocco・根岸孝旨（サポート）】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

2025.11.06

【Tool・Justin Chancellor】風サウンドの作り方＋ベース使用機材セッティングのまとめ｜アンプ・エフェクター・音作り解説

2025.11.18

【スティーヴン・スティルス】Crosby, Stills, Nash & Young（クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング） 始めに

スティーヴン・スティルスは、フォークロックスーパーグループ「Crosby, Stills, Nash & Young」のマルチプレイヤーとして知られています。ギタリストとして有名ですが、レコーディングではしばしばベースも担当し、そのプレイは楽曲の土台を支える重要な役割を果たしています。

バンドの代表曲「Suite: Judy Blue Eyes」や「Wooden Ships」では、メロディアスながらもシンプルなベースラインで楽曲の調和を保ちつつ、豊かなハーモニーを引き立てています。スティルスのベースプレイは技巧を誇示するというよりも、楽曲全体のバランスを考慮した音楽的なアプローチが特徴です。

CSNYの音楽性は、フォークとロックの融合に加え、美しいボーカルハーモニーと社会派のメッセージ性を兼ね備えています。スティルスのベースワークはその繊細なサウンドの中で、リズムセクションとしての役割を堅実に果たしながらも、メロディアスな動きで楽曲に深みを加えています。

YouTubeでスティーヴン・スティルスのプレイをチェック → こちら

使用アンプ一覧と特徴【Crosby, Stills, Nash & Young（クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング）・スティーヴン・スティルス】

スティーヴン・スティルスは主にギタリストとして知られていますが、CSN&Yではベースも担当していました。彼のベースアンプとしては、Fenderのベースマンシリーズを好んで使用していたと言われています。特に1960年代後半から70年代初頭のレコーディングでは、温かみのある中低域と適度なサスティンが特徴のFender Bassman 100やSilvertone製アンプを使用していたとされます。

スタジオレコーディングでは、よりクリアなサウンドを求めてAcoustic 370ベースアンプも使用していたという記録があります。このアンプは中域のパンチが効いた音色が特徴で、フォークロックのサウンドに適していました。CSN&Yの代表曲「Ohio」や「Teach Your Children」などでは、しっかりとした低域を保ちながらも歌とギターを邪魔しない絶妙なベースサウンドが収録されています。

ライブパフォーマンスでは、ステージの大きさに合わせてAmpeg SVTシリーズも使用していたと伝えられています。特に大規模な野外フェスティバルでは、パワフルな低音を届けるために重宝したようです。スティルスのベーススタイルは、シンプルながらも楽曲の土台をしっかりと支える演奏が特徴で、そのサウンドメイクにはアンプの選択も大きく影響していました。

使用アンプ機材表【Crosby, Stills, Nash & Young（クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング）・スティーヴン・スティルス】

使用ベースの種類と特徴【Crosby, Stills, Nash & Young（クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング）・スティーヴン・スティルス】

スティーヴン・スティルスはCSN&Yにおいて主にギタリストとして知られていますが、レコーディングではベースも担当していました。彼が使用していたベースはFenderのPrecision Bassが中心だったと想定されます。特にヴィンテージモデルを愛用し、そのウォームでパンチのある音色がCSN&Yのフォークロック作品の土台を支えていました。

スティルスのベースプレイは繊細なニュアンスと力強さを併せ持ち、中域の響きが豊かな特徴を持っていました。メロディックなフレーズと安定したリズム感覚で、バンドのハーモニーを下支えする役割を果たしています。また、アコースティックな楽曲では特に低域の温かみが際立ち、バンドの音楽性に深みを与えていました。

スタジオレコーディングでは、状況に応じて様々なベースを使い分けていたとされ、時にはアップライトベースも取り入れることで音の広がりを追求していました。CSN&Yの代表曲である「Wooden Ships」や「Suite: Judy Blue Eyes」などでは、彼の特徴的なベースラインを聴くことができます。

使用ベース機材表【Crosby, Stills, Nash & Young（クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング）・スティーヴン・スティルス】

使用エフェクターとボード構成【Crosby, Stills, Nash & Young（クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング）・スティーヴン・スティルス】

スティーヴン・スティルスは、Crosby, Stills, Nash & Youngの中心的メンバーとして知られていますが、彼の主な楽器はギターであり、必要に応じてベースも担当していました。フォークロックの先駆者として、彼のベースプレイは直接的で力強く、バンドの楽曲に重厚な土台を提供しています。

エフェクターの使用に関しては、スティルスは主にクリーンなサウンドを好み、ナチュラルな音色を重視していたと考えられます。彼のベースプレイにおいては、シンプルなセットアップで、時にコンプレッサーを使用して安定したダイナミクスを確保していたようです。

CSN&Yの特徴的なハーモニーワークを支えるため、スティルスのベースサウンドは過度に主張することなく、グループサウンドに溶け込むような調整がされていました。特に「Déjà Vu」や「4 Way Street」などのアルバムでは、彼の繊細かつ的確なベースラインが楽曲の土台となっています。

使用エフェクター機材表【Crosby, Stills, Nash & Young（クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング）・スティーヴン・スティルス】

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Crosby, Stills, Nash & Young（クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング）・スティーヴン・スティルス】

スティーヴン・スティルスのベースサウンドは、低域の豊かな響きと中域の存在感が特徴です。レコーディングでは、低域（60-80Hz）をやや持ち上げ、250Hz付近を少し削ることで泥濁りを防いでいました。中域（800-1kHz）には適度な存在感を与え、高域（3-5kHz）はアタック感を残しつつ、弦のノイズを抑えるためのコンプレッションを軽く効かせています。アコースティックな楽曲では、さらに400Hz付近を持ち上げ、木の温かみを強調していました。

CSN&Yの代表曲「Suite: Judy Blue Eyes」では、ベースとアコースティックギターの周波数バッティングを避けるため、250-400Hz帯域でベースをわずかに削っています。ミキシングエンジニアは、ベースに3:1程度の比較的緩やかなコンプレッションをかけ、リリースタイムを調整して自然な減衰を実現していました。空間系エフェクトは控えめに使用し、ドラムとのタイトな結合感を重視しています。ステレオイメージ内では、ベースを中央に配置し、ボーカルハーモニーとの共存を図っていました。

ライブ環境では、スティルスはアンプのEQセッティングを会場の音響特性に合わせて微調整していました。特に500Hz付近は会場の反響に合わせて増減し、ローミッドの膨らみを制御していました。大きな会場では低域（80-100Hz）を少し抑え、代わりに120-200Hz帯域を持ち上げることで、音が遠くまで届くようにしていました。バンドのアコースティックセクションでは、ベースの2-3kHz帯を強調してフィンガリングのニュアンスを際立たせ、ハーモニーの一部としての役割を果たしています。

比較的安価に音を近づける機材【Crosby, Stills, Nash & Young（クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング）・スティーヴン・スティルス】

スティーヴン・スティルスの温かみのあるベースサウンドを手頃な価格で再現するなら、Fenderタイプのジャズベースかプレシジョンベースがおすすめです。中でも国産メーカーのSquier製CVシリーズは本家Fenderに近い音質ながら価格は3〜4万円台と手頃です。ピックアップを交換せずとも、フラットワウンド弦を張ることでCSN&Yの柔らかいベースサウンドに近づけられるでしょう。

アンプは小型でも良質な音が出るAmpeg BA-110やFender Rumble 40といった機種がコスパ良好です。スティルスのようなミッドレンジが適度に出た温かみのある音作りには、アンプのミッドを少し持ち上げ、トレブルを抑え気味に設定するのがポイントです。録音時にはアンプシミュレーターソフトを使えば、予算を抑えつつ本格的な音作りが可能になります。

エフェクターはシンプルに考え、まずはコンプレッサーを導入すると音の安定感が増します。TC ElectronicのSpectraCompやMXRのM87あたりは1万円前後で入手できる実用的な選択肢です。歌モノのバックで使われる柔らかいベースサウンドには、軽いオーバードライブやチューブシミュレーターも効果的で、EHXのSoul Foodなどを低めのゲインで使うとヴィンテージ感のある温かみを追加できます。

比較的安価に音を近づける機材表【Crosby, Stills, Nash & Young（クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング）・スティーヴン・スティルス】

総括まとめ【Crosby, Stills, Nash & Young（クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング）・スティーヴン・スティルス】

スティーヴン・スティルスは、CSNYの中心人物として、複数の楽器に精通したマルチプレイヤーであり、その中でもベースプレイはバンドのサウンドを支える重要な役割を担っていた。彼のベーススタイルは、フォークロックの温かみある音色と、確かなグルーヴ感が特徴的で、ボーカルハーモニーを主体とするCSNYのサウンドを絶妙にサポートしていた。特に「Woodstock」や「Suite: Judy Blue Eyes」などの楽曲では、シンプルながらも楽曲構造を理解した的確なベースラインが展開され、曲の流れに寄り添いながらも印象的なフレーズで聴き手の心を掴んでいる。

スティルスのベーストーンを再現する上で重要なのは、ミッドレンジをやや強調した温かみのあるサウンドだ。ヴィンテージ感のある丸みを帯びたトーンが基本となるが、楽曲によってはピック弾きの硬質なアタックを使い分ける技術も必要となる。特にフレットレスベースで演奏された楽曲では、その独特のスライド感や表現力豊かなニュアンスを意識すると良いだろう。また、CSNYのアコースティックな楽曲では、適度なダイナミクス処理を施し、アコースティックギターとの調和を意識したミックスも重要なポイントとなる。

スティルスのアプローチから学ぶべき最大の教訓は、機材に依存しすぎない音楽性の重視だろう。彼は様々な楽器を演奏できるマルチプレイヤーとして、常に曲の全体像を見据えたプレイを心がけていた。特定のベースやアンプに固執するのではなく、楽曲の持つ雰囲気や方向性に合わせて柔軟にサウンドを調整する姿勢は、現代のベーシストにも大いに参考になる。テクニックの誇示よりも、バンド全体のサウンドにどう貢献するかを常に意識し、時にはシンプルに徹することの美学をスティルスのプレイから学ぶことができるだろう。

本記事参照サイト【Crosby, Stills, Nash & Young（クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング）・スティーヴン・スティルス】

本記事は下記公式サイト等を参照して作成しています。

• Music Guitar Talk – Stephen Stills
• Towa no Uta – CSNY
• HMV – Media
• Shinko Music – Publisher
• Music Guitar Talk – CSNY