【TUBE・角野秀行】使用機材まとめ|アンプ・エフェクター・音作り解説

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【角野秀行】TUBE 始めに

角野秀行は日本の夏を代表するロックバンドTUBEの結成時からベーシストを務めており、1985年のメジャーデビュー以来一貫してバンドサウンドの低音を支えてきた人物です。1965年7月6日生まれの神奈川県出身で、中学時代にレインボーのコピーバンドでベースを手にしたことが音楽キャリアのスタートとなりました。彼のプレイスタイルは歌物ロックバンドに求められる音楽性を深く理解しており、オケに馴染む暖かみのあるサウンドと確かなグルーヴ感が特徴です。

角野の音作りは真空管プリアンプを核とした王道のアプローチをベースとしつつ、現代的なクラスDアンプとのハイブリッド構成を取り入れた実用性の高いセッティングが注目されます。Demeter製のプリアンプを1992年頃から長年愛用しており、オーディオ的に立ちすぎず音楽的なサウンドを追求する姿勢が機材選定に表れています。また弦に対するこだわりも強く、ステンレス弦による音抜けの良さを重視し、DR Stringsを長年使用しています。

代表曲「シーズン・イン・ザ・サン」「あー夏休み」「夏を抱きしめて」などでは、グルーヴを重視したタイトかつウォームなベースサウンドが楽曲全体を包み込むように支えています。エフェクターはシンプルに必要最小限にまとめており、Musitronics Mu-Tron IIIのエンベロープフィルターやFree The Tone Black Vehicleといった定評ある機材を効果的に使用しています。

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使用アンプ一覧と特徴【TUBE・角野秀行】

角野秀行のアンプセッティングは真空管プリアンプとクラスDパワーアンプの組み合わせを中心とした実用的な構成です。長年Demeter製のVTBPシリーズをメインプリアンプとして使用しており、特にVTBP-MJ-800DはJensen DIトランスを搭載した特別仕様を導入しています。このアンプは素直で暖かみがあり、クリアな押し出し感と軽量コンパクトな設計が魅力で、ライブでの機動性とレコーディングでの音質を両立しています。キャビネットは10インチ×4発でスピード感のあるクリアなサウンドを、15インチでウォームなヴィンテージトーンを使い分けています。また過去にはHiwatt DR 201アンプヘッドとSE4123キャビネットの組み合わせも使用しており、ブリティッシュトーンによる骨太なサウンドも追求していました。

機材名 メーカー アーティスト ベーシスト 備考 Amazon 楽天 Yahoo! 石橋楽器 サウンドハウス
VTBP-MJ-800D Demeter TUBE 角野秀行 Jensenトランス搭載DI、真空管プリ+クラスDアンプ 検索 検索 検索 検索 検索
VTBP-201 Demeter TUBE 角野秀行 旧タイプ真空管プリアンプ 検索 検索 検索 検索 検索
HBP-1 Demeter TUBE 角野秀行 ベースプリアンプ 検索 検索 検索 検索 検索
DR 201 Hiwatt TUBE 角野秀行 アンプヘッド、200W 検索 検索 検索 検索 検索
SE4123 Hiwatt TUBE 角野秀行 ベースキャビネット 検索 検索 検索 検索 検索
WORLD 1.2 Stewart TUBE 角野秀行 パワーアンプ 検索 検索 検索 検索 検索
OLLA Pueblo Audio TUBE 角野秀行 ダイレクトボックス 検索 検索 検索 検索 検索
NEVEマイクアンプ Neve TUBE 角野秀行 レコーディング用 検索 検索 検索 検索 検索
IP-777 Kean TUBE 角野秀行 プリアンプ 検索 検索 検索 検索 検索

使用ベースの種類と特徴【TUBE・角野秀行】

角野秀行のメインベースはAtelier Zのカスタムモデルで、彼のシグネチャーモデルとして複数のバリエーションが製作されています。ロック系楽曲ではJBタイプのカスタムモデルを使用し、ノードストランド製ソープバーピックアップ×2を搭載したパワフルなサウンドが特徴です。ボディはアルダー、ネックはメイプル、指板は希少なハカランダをスラブ貼りで採用しており、BADASSブリッジとパドルタイプのペグに4弦Dチューナーを装備しています。

レコーディングやその他の楽曲では1960年製と1962年製のFender Jazz Bassを使い分けており、特に1962年製はレコーディングでの主力機材となっています。ヴィンテージFenderの持つ暖かみとクリアなトーンがTUBEの楽曲に求められる音楽性にマッチしています。また5弦ベースではAtelier Zのアッシュトップとアルダーバックのコンビネーション材を使用したモデルに、Bartolini TCTプリアンプを搭載した仕様を選択しています。指板はすべてハカランダで統一されており、彼のサウンドの一貫性を支える重要な要素となっています。

機材名 メーカー アーティスト ベーシスト ベースの種類 備考 Amazon 楽天 Yahoo! 石橋楽器 サウンドハウス
カスタムモデル JBタイプ Atelier Z TUBE 角野秀行 ジャズベースタイプ ノードストランドPU、ハカランダ指板、ロック系使用 検索 検索 検索 検索 検索
AZS-295 Atelier Z TUBE 角野秀行 ジャズベースタイプ パッシブ、ハカランダ指板、薄いネックグリップ 検索 検索 検索 検索 検索
アッシュトップ/アルダーバック Atelier Z TUBE 角野秀行 ジャズベースタイプ Bartolini TCTプリアンプ、BADASS BASS II 検索 検索 検索 検索 検索
アロハスタジアムモデル Atelier Z TUBE 角野秀行 ジャズベースタイプ 2000年限定生産、アロハ生地トップ、Bartolini NTCT 検索 検索 検索 検索 検索
Jazz Bass 1960年製 Fender TUBE 角野秀行 ジャズベース ヴィンテージ、通常楽曲使用 検索 検索 検索 検索 検索
Jazz Bass 1962年製 Fender TUBE 角野秀行 ジャズベース ヴィンテージ、レコーディング主力 検索 検索 検索 検索 検索

使用エフェクターとボード構成【TUBE・角野秀行】

角野秀行のエフェクターボード構成は非常にシンプルで、ベース本来のトーンを活かすことを重視しています。シグナルチェーンは入力からMusitronics Mu-Tron IIIのエンベロープフィルター、tc electronic SCFのコーラス・フランジャー、Roger Mayer RM 58リミッター、Pete Cornish 3Q-1イコライザー、Free The Tone Black Vehicleオーバードライブを経てアンプへ出力される流れです。特にMu-Tron IIIは独特のファンキーなサウンドを生み出す重要な機材で、楽曲のアクセントに効果的に使用されています。またPete Cornish製のイコライザーは高品質な音質補正を行い、Free The ToneのBlack Vehicleはクリーンブーストから軽い歪みまで対応する万能なオーバードライブとして活躍しています。

機材名 メーカー アーティスト ベーシスト エフェクターの種類 備考 Amazon 楽天 Yahoo! 石橋楽器 サウンドハウス
Mu-Tron III Musitronics TUBE 角野秀行 ワウペダル エンベロープフィルター、ファンキートーン 検索 検索 検索 検索 検索
SCF tc electronic TUBE 角野秀行 コーラス コーラス、フランジャー、ピッチモジュレーター 検索 検索 検索 検索 検索
RM 58 Limiter Roger Mayer TUBE 角野秀行 コンプレッサー リミッター、ダイナミクス制御 検索 検索 検索 検索 検索
3Q-1 Pete Cornish TUBE 角野秀行 イコライザー 3バンドイコライザー 検索 検索 検索 検索 検索
Black Vehicle Free The Tone TUBE 角野秀行 オーバードライブ ブースト、軽い歪み 検索 検索 検索 検索 検索

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【TUBE・角野秀行】

基本EQ設定

角野秀行の基本的なEQ設定は楽器本来の持ち味を活かす補正程度の調整が基本です。DemeterのプリアンプはパッシブタイプのEQを搭載しており、自然な効き方で音を積極的に作り込むよりも楽器のキャラクターをそのまま出すことを重視しています。低域は音程感を明確にするため過度にブーストせず、中域は歌やギターの帯域と干渉しないよう適度に調整し、高域はステンレス弦の特性を活かしながら出過ぎた帯域をPAサイドでカットする方針を取っています。アンプのEQはフラットに近い設定から微調整する程度で、キャビネットの特性で音色を変化させる手法も活用しています。

楽曲別の使い分け

ロック系の楽曲ではAtelier ZのJBタイプカスタムモデルでパワフルなサウンドを出し、バラードや抒情的な楽曲ではFenderのヴィンテージJazz Bassで暖かみのあるトーンを使用しています。5弦ベースが必要な楽曲ではDR StringsのLO-RIDERSとの相性が良いAtelier Zアクティブモデルを選択し、低音域の音程感とタイト感を確保しています。エフェクターではファンキーなフレーズにMu-Tron IIIを、空間的な広がりが必要な場面ではtc electronicのSCFを使用するなど、楽曲の雰囲気に応じて的確にエフェクトを切り替えています。

ミックスでの工夫

角野は歌物バンドであることを常に意識しており、ミックスではベースがオケに馴染むサウンドを第一に考えています。レコーディングではNEVEマイクアンプやDemeterプリアンプを通したDI録音が中心で、真空管の自然なコンプ感と暖かみを活かしたトーンが特徴です。オーディオ的に立ちすぎた音ではなく、音楽的に全体のバランスに溶け込むサウンドを追求しており、そのためにJensen DIトランスの音質を重視しています。弦の選択でも音抜けを確保しているため、ミックス段階では過度なEQブーストや加工を避け、ナチュラルなダイナミクスを保つことを心がけています。

比較的安価に音を近づける機材【TUBE・角野秀行】

角野秀行のサウンドを安価に再現するには、まずジャズベースタイプの楽器とステンレス弦の組み合わせが基本となります。プリアンプ系では真空管を使用したモデルやJensen DIトランス搭載機材が理想ですが、同様の暖かみを持つコンパクトなプリアンプでも十分に近いトーンが得られます。エフェクターではエンベロープフィルターとコーラス、そしてクリーンブーストの3つを揃えることで基本的なサウンドバリエーションをカバーできます。初心者でも扱いやすい機材を選びながら、弦の選択に予算を割くことが角野本人も推奨するアプローチです。

種類 機材名 メーカー アーティスト ベーシスト 備考 Amazon 楽天 Yahoo! 石橋楽器 サウンドハウス
ベース Player Jazz Bass Fender TUBE 角野秀行 コストパフォーマンス良好、基本トーン 検索 検索 検索 検索 検索
NICKEL LO-RIDERS DR Strings TUBE 角野秀行 ニッケル、フィーリング重視 検索 検索 検索 検索 検索
Hi-Beam Stainless Steel DR Strings TUBE 角野秀行 ステンレス、音抜け重視 検索 検索 検索 検索 検索
プリアンプ VTDI Tech 21 TUBE 角野秀行 コンパクト、真空管風トーン 検索 検索 検索 検索 検索
エフェクター Q-Tron+ Electro-Harmonix TUBE 角野秀行 エンベロープフィルター、Mu-Tron系 検索 検索 検索 検索 検索
エフェクター Corona Chorus tc electronic TUBE 角野秀行 コーラス、空間系 検索 検索 検索 検索 検索
エフェクター Red Ripper Free The Tone TUBE 角野秀行 オーバードライブ、クリーンブースト 検索 検索 検索 検索 検索
コンプレッサー Spectracomp tc electronic TUBE 角野秀行 コンパクトコンプレッサー 検索 検索 検索 検索 検索
DI Active Direct Box Tech 21 TUBE 角野秀行 アクティブDI、安定出力 検索 検索 検索 検索 検索

総括まとめ【TUBE・角野秀行】

角野秀行の音作りの本質は、楽器本来のキャラクターを活かしながら歌とオケに馴染むサウンドを追求することにあります。真空管プリアンプによる暖かみと音楽的なトーン、ステンレス弦による音抜けの良さ、そしてシンプルなエフェクター構成という3つの要素が彼のサウンドを形作っています。特に注目すべきは弦の選択を重視する姿勢で、高価なエフェクターを揃えるよりも自分のベースに合う弦を見つけることが音抜けと音質向上の近道だと語っています。

機材再現のポイントとして、まずジャズベースタイプの楽器とDR Stringsのような高品質な弦を選ぶことが第一歩です。プリアンプはDemeter系の真空管サウンドが理想ですが、同様の暖かみを持つ機材でも十分に近い音色が得られます。エフェクターはエンベロープフィルター、コーラス、オーバードライブの3種類を基本とし、必要に応じてコンプレッサーやEQを追加する程度で良いでしょう。重要なのは機材の数ではなく、各機材の特性を理解して適切に使いこなすことです。

角野本人が強調するように、機材に頼りすぎないことも重要なポイントです。高価な機材を揃えれば良い音が出るわけではなく、まずは自分の楽器と弦の組み合わせを最適化し、基本的なタッチとフィンガリングを磨くことが不可欠です。アンプのEQは補正程度に留め、楽器そのものが持つ音色を前面に出すアプローチが彼のスタイルの核心です。セッティングは4時間をかけて丁寧に行い、ライブでの持ち替えに対応できるよう全ての楽器の弦高を揃えるなど、細部へのこだわりが一貫したサウンドを生み出しています。

TUBEの楽曲は歌物ロックバンドとして、ボーカルを引き立てるアレンジが求められます。そのためベースはオーディオ的に立ちすぎず、音楽的に全体を支える役割を果たす必要があります。この考え方は機材選定だけでなく、演奏アプローチやミックスバランスにも反映されており、角野秀行のサウンドメイキングの哲学そのものと言えるでしょう。初心者からプロまで、彼の機材選定とセッティングの思想は多くのベーシストにとって参考になる要素が詰まっています。

本記事参照サイト【TUBE・角野秀行】

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